【感想】ボトルネック 救いのない青春SFミステリー

こんにちは。つぼたっくあおいです。
今回は米澤穂信さんの「ボトルネック」を読んだ感想を紹介します。
嫁が米澤穂信さんの大ファンということもあり、ぜひ読んでほしい!と勧められました。
以前、米澤穂信さんの「氷菓」「儚い羊たちの祝宴」を読んで面白かったので、「ボトルネック」も読んでみることに。
ネタバレ無しで感想を紹介します。
書籍概要
題名:ボトルネック
著者:米澤穂信
初版発行日:平成21年10月1日
出版社:新潮文庫
あらすじ
高校1年生の嵯峨野リョウは東尋坊に1人で訪れる。彼女の諏訪ノゾミが亡くなった場所。
ノゾミが転落した崖に花を添えようとすると、リョウは不思議な感覚に襲われる。
突然足元をすくわれ崖から転落し、気を失ってしまうが、目を覚ますと河畔公園のベンチに横たわっていた。
不思議に思いながらも家に帰ると、サキと名乗る見ず知らずの少女が玄関から出てくる。
どうやらサキは嵯峨野家の長女ということ。そして、自分の家なのに自分は存在していないことになっている。
話しているうちに、自分が存在していない世界(パラレルワールド)に迷い込んできていることが判明する。
リョウの姉は流産で亡くなっているが、その姉(サキ)が生まれてきて、自分が産まれなかった世界。
サキと2人で元の世界と、今の世界での間違い探しをすることになる。自分が生まれずにサキが生まれたことで、世界はどのように変わったのかが明らかになってくる。
感想
青春SFミステリー
この本ジャンル分けすると、青春SFミステリーというのがピッタリな気がします。(勝手に作りました。)
高校生男子の難しい心情を描いた青春の要素。
自分がいない世界、そして生まれなかった姉が代わりに生きている世界に迷い込むと言う転生系のSF要素。
そして元の世界と今の世界の違いは何故生じたのか、というミステリー要素。
これらの3要素がどれも良い味を出し、絶妙にからみあっていました。
細かい伏線回収や、謎が解けた時にゾゾっと鳥肌が立つような怖さも味わえたのでミステリー好きの自分はとても満足です。
米澤穂信さんは日常のちょっとしたことをミステリーに落とし込むのが本当に巧みですね。
「ボトルネック」は「氷菓」の日常ミステリーと「儚い羊たちの祝宴」のホラーミステリーをちょうど足して2で割ったような感じでした。
多分、読めば何となく分かってくれると思います!(笑)
最後まで救いが無い
男子高校生が、パラレルワールドに行ってしまい、自分の世界では生まれなかったはずの姉(サキ)に合う。という設定に、最初はとてもワクワクしました。この出会いがどれだけ残酷なものかと知らずに。。
上でも書いた通り、主人公のリョウと姉のサキは2人の世界の間違い探しを始める(この展開もとても面白そうと思った)のですが、この間違い探しが容赦なくリョウの心をえぐっていくのです。正直主人公が可哀想すぎて、途中で読むのがしんどくなりました。
どういうことかというと、間違い探しによって、サキの世界の方が自分の世界よりも良い結果となっていることが分かっていくのです。例えば、自分の世界では両親の仲が悪く、家族仲は最悪の状態となっているが、サキの世界では両親はラブラブで2人でデートに行くほど家族仲が良好。といったような感じです。
その現状を目の当たりにしたリョウは自分ではなく、サキが生まれてきていたら。。。と自分の生きている意味について悩み絶望していきます。
元の世界でも既に絶望していた主人公に対して、別の世界が更に追い打ちをかけていくようで、血も涙もない展開だと感じました。
自分が生まれなかった方が良い世界になっている。ということを目の当たりにするのって絶対キツイ!
そして、最後も救いのない終わり方で、読後はどんよりとした気持ちにさせられました。今まで読んだ本の中で一番救いのない終わり方だったんではないかと感じています。
こんな人にオススメ
救いのない話が好きな人
どんよりとした話の方が好きって方にはオススメ。胸糞悪い展開やバッドエンドが好きな方は楽しめると思います。
家族系の酷い話が苦手な人は少し厳しいかもです。
ハッピーエンドが好きな自分には少ししんどかった。。
中高生くらいの学生
自分の生まれてきた意味を考えられる良い機会になるかと思います。想像すること大切さを中高生の間に学ぶのは良いことかと思います。
読書感想文は書きやすそう。読みやすいし量も丁度良いかも。
ただ、精神状態が良い時に読む方が良いかもしれません(笑)
無気力で斜に構えている人
主人公の性格が無気力で斜に構えているような感じです。なので、主人公に共感できると思います。
ただ、サキの無神経な言葉に心をえぐられるので要注意です。
まとめ
今回は米澤穂信さんの「ボトルネック」を読んだ感想について紹介しました。
救いが無く、どんよりとしたミステリーでしたが、懐かしい気分も味わえるような小説でした。
金沢市が舞台となっており、旅行で行ったことのある、21世紀美術館や金沢城の風景が思い出され、懐かしかったです。
そういう爽やかな情景やノスタルジアな雰囲気が、より残酷さを演出しているような気もしました。とにかく主人公は可哀想。感想はこれに尽きます。
あと、自分はサキは好きになれないなと思いました。現実でもサキみたいな人は苦手です。想像力の大切さを得意げに主張していましたが、皮肉にも一番想像力が無いのはサキでしたね。。
色んな意味で想像力は大切だと感じることができました。
興味がある方は是非読んでみてください!
最後まで読んでいただきありがとうございました!
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