【感想】回廊亭殺人事件 ストーリー重視の切ないミステリー

愛する恋人を奪われた女性が悲劇の復讐を遂げる
今回紹介するのは、愛する人を失った女性の切ない復讐劇を描いたミステリー 東野圭吾さんの「回廊亭殺人事件」です。
ミステリー小説好きの自分は定期的に東野圭吾さんの本格的なミステリーが読みたくなります。本屋で特徴的な表紙をしている、「回廊亭殺人事件」が目に留まり、早速購入。黒い背景に白い文字って、BLEACHのソシャゲっぽくてかっこいいですよね。
帯に、「誰でも見抜ける叙述トリックです。ストーリーをお楽しみください」と著者からのメッセージが。これは挑戦しなければ!と意気込んで読みました。
ミステリーは好きだけれど、推理が苦手な自分は勿論見抜けなかったのですが、とても楽しめました。作者のミスリードにまんまと騙され、しっかりと驚かされました。
それでは、ネタバレ無しで感想を紹介していきます。
書籍概要
題名:回廊亭殺人事件
著者:東野圭吾
初版発行日:1994年11月20日
出版社:光文社
あらすじ
資産家の一ケ原高顕が亡くなったため、回廊亭という旅館で遺産相続の話し合いが行われることに。
一ケ原の一族は旅館に集まるのですが、その中に1人親族ではない老婆 菊代夫人が招待されていた。それは高顕氏の遺言状を公開するため。
だが、その老婆は菊代夫人ではなない。高顕氏の秘書である枝梨子が菊代夫人に変装していた。
菊代夫人に変装した枝梨子は恋人を殺害した犯人に復讐すべく、一族が集まる回廊亭に潜入したのだ。
段々と謎が明らかになっていき、最後には衝撃的な展開が待ち受ける。
感想
主人公が、老婆に変装して犯人を見つける、という設定は斬新で面白かったです。
常に主人公の視点で話が進んでいきますので、登場人物全てが怪しく見えてきます。誰が犯人なのか、何でこんなこと言ったのか、など、主人公と一緒に疑心暗鬼になってました。
主人公目線で臨場感のある展開に息を呑みました。
また、主人公の執念が伝わってきて、物語に感情移入できます。ストーリーをお楽しみください。のメッセージ通り、物語に没入させられました。
ただ、登場人物がとにかく多い。遺産関係でのトラブルが話のメインとなるので、兄弟姉妹、叔父、甥、姪、その娘、などなど様々な続柄が登場します。この人誰だっけ?どっちの娘だっけ?と何度も読み返していました。
最初の方で、登場人物の相関図を作成してから読んだら少し読みやすいかもです。たくさんの登場人物が登場するのは、本格ミステリーの醍醐味でもあるんですけどね。
あと、叙述トリックは見事でした。主人公視点を活かした叙述トリックで、完全に騙されましたね。
ただ、最後の方の展開はやや駆け足だったかなという印象です。途中まで展開が遅かったのに、最後の方でバタバタと幕が降りた感じです。その分驚いも大きかったのですが、ちょっと忙しないなと感じました。
こんな人にオススメ
ストーリー重視のミステリーが好きな人
著者本人も主張しているように、とにかくストーリーは面白い
復讐系の話が好きな人
最近の漫画では流行ってますよね。未亡人が復讐するやつとか、いじめられっ子が復讐するやつとか。
長編小説&多い登場人物に耐性ある人
読みやすいのは読みやすいけど、登場人物の多さに面食らう人は多そう。
まとめ
今回は東野圭吾さんの「回廊亭殺人事件」を読んだ感想を紹介しました。
東野圭吾さんのミステリーは安定して面白いですね。まだ三作目ですがどれも面白かったです。
老婆に変装した主人公の目線で、ヒヤヒヤしたり、疑心暗鬼になったりと、臨場感を楽しめました。
最後は少し切ないけど、スッキリした終わり方なので、後味の悪さはなかったです。復讐系の話になると大体後味の悪い終わり方になるので、少し意外でした。
気になった方は是非読んでみてください!
最後まで読んでいただきありがとうございました。
ディスカッション
コメント一覧
こんばんは。
自分も「回廊亭殺人事件」読みましたよ。
面白かったです。
ストーリー展開にハラハラしました。
そのうえ最後まで飽きることがありませんでしたよ。
コメントありがとうございます!
最後はビックリでしたよね。
自分もずっとハラハラでとても楽しめました。