【感想】ノルウェイの森 生と死の間で起こる愛の物語

2022年8月4日

今回はノルウェイの森を読んだ感想を紹介します。

誰もが1度は名前を聞いたことがあるであろう名作。村上春樹さんの作品はなんとなく敬遠していたのですが、名作ということもあり、読んでおくべきかなと思い購入しました。

以前読んだ「アフターダーク」に続き、村上作品を読むのは2作目です。

なんとなく内容がとても難しいイメージでしたが、思っていたよりは読みやすかったです。独特な感じはありましたが。

ざっくり言うと、思春期の青年の葛藤や悩みを描いた恋愛小説です。「アフターダーク」程、哲学的な感じはなかったので、幅広い人が楽しめるのと思いました。だからこそ、名作となったのだと思いますが。

上下巻に分かれているので、ボリュームは結構あり、読むのには結構時間がかかりました。情景や雰囲気を楽しめるので、のんびり読むのが良いですね。

書籍概要

題名:ノルウェイの森

著者:村上春樹

初版発行日:1987年9月4日

出版社:講談社

設定

38歳の主人公が自分の学生時代を思い出しながら、それを文章にした。という設定。

文章を書いている時点の主人公視点で、はなしが進んでいく感じです。

例えばでいうと、横溝正史の「八つ墓村」と同じような形式です。

他の登場人物の心情は、主人公目線でしか語られない、つまり読者も主人公とほぼ同じ目線で読んでいくことになります。そこが面白いポイントかと思いました。

感想

名作と言われているだけあって、内容には非常に満足でした。情景の表現が美しいので、穏やかな気持ちになれた気がします。最後の喪失感は凄かったですが。

登場人物も魅力的です。特に女性、それぞれが個性的で知的です。自分はレイコさんが特に好きで、主人公達への寛容なアドバイスはとても素敵でした。

ギターを弾くシーンはとても幻想的でうっとりとしました。本の題名でもある、ビートルズの「ノルウェイの森」も演奏してましたね。

ここでタイトル回収するのか、と少し驚きました。

登場人物する女性に劣らず、主人公も魅力的です。だから、魅力的な女性が周りに集まるんですね。

落ち着きがあり、堂々としているような印象の主人公に少し憧れました。未熟なところもあるのも、親近感が湧いて良かったです。

最後に、この作品は「愛」と「生(生きる)」を描いた物語だと感じました。(「死」よりは「生」の表現が適切かと思いました。)

人の「死」をどう乗り越え、生きていくべきかをとても考えさせられました。

考察

最後のシーンを簡単に考察してみます。ここからは若干ネタバレあるかもです!

我々は握手をして別れた。 *  僕は緑に電話をかけ、君とどうしても話したいんだ。

ノルウェイの森

この最後のシーンでは、「*」で物語の最初のシーンへと切り替わったのだと思いました。つまり、38歳の主人公の場面です。

ドイツの空港で過去のことを思い出し、急に緑と話がしたくなり、緑に電話を掛けた。急に電話がかかってきたため、驚いて、沈黙が続いた。そのため、緑の最初の1言は「あなた、今どこにいるの?」だったのだと思います。

物語の最初のシーンで主人公に漂っている哀愁にもうなずけます。(レイコさんと別れた後、緑と一緒になっていたら、あそこまで哀愁が漂った雰囲気にならなかったのでは?と想像しています。)

結局主人公は身近な人の「死」を乗り越えられなかった。という最後なのかなあと想像しました。

雑な考察ですが、もし他の考えなどあればコメントいただきたいです。

こんな人にオススメ

哲学が好きな人

「愛」とは、「死」とは、などの哲学的なことが好きな人にはオススメ。

ちなみに「愛」について、自分が一番好きなフレーズはミスチルの「名もなき詩」の↓です。

愛はきっと奪うでも与えるでもなくて 気が付けばそこにある物

Mr.children 名もなき詩

喫茶店でタバコを吸いながらコーヒーを飲むと聞いて「良いな」と思う人

そういう雰囲気が好きな人には合っていると思います。

昔の音楽が好きな人

色んな昔の曲が作中に出てきます。ビートルズの「Hey Jude」くらいしかピンとこなかったのですが、分かる人は楽しめるかと。

ノルウェイの森を含めビートルズ曲が多めでした。

まとめ

今回は村上春樹さんの「ノルウェイの森」を読んだ感想を紹介しました。

のんびりと1ヶ月かけて、上下を読了しました。1ヶ月に2冊(1作品)だけなので、こんなにゆっくりなペースで本を読んだのは初めてですね。

ですが、非常に充実した1ヶ月だったと思います。

10代の頃に読んでいたらもう少し印象が変わるのかなと思いました。これから様々なことを経験して、何十年かごにもう一度読むと、また印象が変わるのかなとも思います。

しっかり生きて、もう一度この本を読んでみたいですね。

最後まで読んでいただきありがとうございました!

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