【感想】小説「グラスホッパー」殺し屋世界のアングラな世界観

こんにちは。つぼたっくのあおいです。
今回は伊坂幸太郎さんの著書「グラスホッパー」を読んだ感想について紹介します。
本屋さんで次は何の本を読もうか悩んでいたところ、グラスホッパーという題名の響きの良さにつられて購入しました。
内容は全然知らなかったのですが、有名な作品で耳にしたことはあったので早速購入!
殺し屋や闇の組織が登場するアングラ感強めの作品。
人が死ぬ描写がとてもリアルに描かれているのが印象的でした。
闇の組織に潜入している主人公が一般人過ぎるのが面白かったです。
一般人ゆえの甘い考えや危機感の無さが多々垣間見えます。
アングラ社会に馴染みがない読者と同じ視点でストーリーが進んでいっているのかなと感じました。
読んでみると、展開の読めなさに続きが気になり…あっという間に読み終わりました。
Twitterでフォロワーの方からシリーズの続編があると教えていただいたので次も早く買いに行きたいですね!
積読を早く読破しないと…(笑)
それはさておき、グラスホッパーを紹介していきます。
書籍紹介
書籍概要
題名:グラスホッパー
著者:伊坂幸太郎
初版発行日:2004年7月30日
値段:590円+税(文庫)
あらすじ
「グラスホッパー」は3人のキャラクターが登場し、視点が交互に切り替わっていきます。
1人目のキャラクターは「鈴木」
元々は教師をしていたが、殺された妻の仇を取るために非合法的な組織「令嬢」に潜入している。
妻を殺害した男を殺す機会を伺っていたが、自分の目の前でトラックに轢かれて死んでしまう。
「押し屋」と呼ばれる殺し屋の仕業と分かったため、鈴木は押し屋の後を追っていく。
2人目のキャラクターは「鯨」
相手に自殺をさせることを専門としている殺し屋。
自殺させた政治家の秘書の処理をしている途中に、ホテルの窓から後ろから押された男がトラックに惹かれる場面を目撃する。
過去の因縁を清算するために彼もまた「押し屋」を追い始める。
3人目のキャラクターは「蝉」
ナイフ使いの殺し屋で岩西という上司から仕事を斡旋されている。
上司からこき使われていることに不満を感じており、自由になることを望んでいる。
名を挙げるために自分の手で押し屋を始末しようと考える。
魅力的なキャラクター3人の視点で物語が進み物語の途中で交差する。
殺し屋や危ない組織が乱立する世界で、ただの一般人の鈴木が奮闘する疾走感あふれる物語です。
感想
危機感なさすぎる主人公にヒヤヒヤ
この小説の一番の魅力は主人公の「鈴木」が一般人過ぎることにあると思います。
殺し屋や危ない組織がうじゃうじゃ出てくる世界観に、元教師の主人公が入り込むのですが…
頼りないというか、ヒヤヒヤするというか、バイオハザード7をプレイしているような感覚になりました(笑)
※余談ですが…バイオハザード7は恐怖をテーマとしており、軍人のような動きができない一般人を操作することでより恐怖感が増します
興味がある方は是非プレイしてみてね(笑)
殺害された妻の復讐をするために「令嬢」という非合法的な組織の社員として働き始めます。
妻の復讐を成し遂げるという意思は固いのですが、非情にはなり切れないところが人間身を感られて良かったです。
組織が誘拐した若者を殺すように命じられても拒否
組織の上司に疑われるとわかりやすく動揺
と読んでいるこっちの方がヒヤヒヤしました(笑)
考えが足りてなかったり、自分がピンチなのに人のことを思いやったり、危険に対して鈍感だったりと、本当にただの一般人です。
だからこそ、臨場感や不安感をたくさん味わえるのだと思います。
押し屋の正体が衝撃
この物語のキーパーソンの「押し屋」の正体が衝撃的でした。
押し屋とはターゲットを押して車や電車などに轢かせて殺害する殺し屋です。
自分も色々な想像をしながら読んでいましたが、押し屋の正体が分かったときには衝撃的でした‼
名言が心に刺さる
個人的には、キャラクターが発するセリフの中に名言が多いのも魅力的でした。
名言のおしゃれさや刺さり具合はBLEACH並みでした(笑)
余談ですがBLEACHの一番好きな名言は藍染惣右介の「憧れは理解から最も遠い感情だよ」です。
では、「グラスホッパー」で印象に残ったセリフを紹介していきます。
「頭で、『危険だ』と分かっていても、本当の危機は感じていないかもしれない」
これは、人間は実際に痛い目に合わないとそれを現実として受け入れられないということを言っています。
例えば、台風が来ている時、部屋に閉じこもっていると外の様子はよくわからないですよね。
テレビで被害状況が映し出されているのを目にすると、『本当かな?』と、外をのぞいてしまう人は多いと思います。
そして、暴風で飛ばされた枝などを顔に受けて怪我をしたりすると、初めて本当に危険だということを実感するということですね。
確かに、平和な暮らしをしている自分も危機感を感じることなく生活しているので、このセリフは印象的でした。
「時間を守れば身を守る」
これは「グラスホッパー」に出てくる架空のロックバンド「ジャッククリスピン」の名言です。
ナイフ使いの殺し屋「蝉」の上司「岩西」はジャッククリスピンを崇拝しており、そのセリフをよく使います。
他にも様々な名言が出てくるのですが、私は「時間を守れば身を守る」が一番好きでした。
時間を守ることの大切さが端的でそして知的に表現されているように思えて、しっくりきました。
他にも群集相のバッタ(グラスホッパーは日本語でバッタ)の話や「罪と罰」の中のセリフなど様々な名言が出てくるので、自分の好きな名言を探してみてください!
まとめ
今回は伊坂幸太郎さんの「グラスホッパー」について紹介しました。
3人の視点で物語が同時進行的に進んでいくので、サクサク読めました。
人が死ぬ描写がリアルなので、グロイのが苦手という方はお気を付けください(笑)
自分もグロイの結構苦手なのですが、なるべく想像しないように頑張って読みました…
伊坂先生ごめんなさい(笑)
アングラ感の強い作品ですが、読んだ後の後味は良く自分的にはハッピーエンドかなと思いました。
とっても面白かったので、続編の「マリアビートル」も読んでみたいです!
気になった方は是非読んでみてください。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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