【感想】「密室に向かって撃て!」斬新な密室トリックに驚愕

2021年10月3日

こんにちは。つぼたっくあおいです。

今回は東川篤哉さんの「密室に向かって撃て!」を読んだ感想を紹介します。

東川篤哉さんの人気シリーズ鳥賊川市シリーズの2作目。

相変わらずのユーモアと本格ミステリが相まって、今作もとても読みごたえがありました。

1作目と同じく密室殺人がテーマの作品でした。

しかし、実際読んでみると1作目とは似て非なるもの。

密室殺人という1つのジャンルでここまで幅広い表現ができるものかと感嘆しました。

前作とのつながりも結構あったので先に1作目を読むことをお勧めします。

ただ、ストーリーやミステリー要素にはあまり1作目との関係はないと思います。

今作「密室に向かって撃て!」を最初に読んでも普通に楽しめると思います!

この記事ではネタバレなしです!

書籍紹介

題名:密室に向かって撃て!

著者:東川篤哉

初版発行日:2007年6月

出版社:光文社

起承転結のをざっくり紹介

ミステリー小説って全体のあらすじを書いてしまうとネタバレになったりしてしまうんですよね。

今作は特に概要を話してしまうと、犯人とか分かりそうなので導入部分だけを簡単に紹介します。

正直言うと、導入部分だけでも十分面白そう!と思える内容なのでそれで十分かなと思います。

刑事と容疑者のすれ違い

2人の刑事がアパートの前張り込みをしている場面から物語は始まります。

1作目を読んだ人はお察しの通りの2人組です(笑)

酒場でチンピラを瓶で殴り、傷害及び器物破損の容疑者を逮捕するためです。

容疑者が4階の部屋に着いたときに、逮捕状を叩きつけます。

すると容疑者は明らかに取り乱して、部屋の中で拳銃を構える。

どうやら拳銃不法所持の件で捕まえに来たと勘違いした模様。

拳銃の密売をしていたようです。

最初からとんでもないすれ違いですね(笑)

銃の密売なんてしている人が、暴行なんかするなよ!と思いますが、、

なんとも不運な容疑者ですよね(笑)

刑事の失態で流出した拳銃

その後、容疑者はベランダから逃げようとして転落して死んでしまいます。

刑事たちが死体を確認しに行くと、、、

なんとそこにあるはずの拳銃が見つからない!

おそらくその場にたまたま居合わせた人が勝手に持ち去ったのでしょう。

仕方がないとはいえ、大変な失態です。

一般市民からすると、この町で拳銃が流出したということは恐怖でしかないですよね。

そして、忘れないでいただきたい。この物語においては、この一丁の拳銃こそはいわば主役ともいうべき存在なのだ、ということを―。

密室に向かって撃て!p24より

こう書かれている通り、「密室に向かって撃て!」ではこの銃を巡って事件が起こります。

こんな感じでミステリーに偶然が絡んでくるのも鳥賊川市シリーズの特徴でもありますね。

この拳銃がどのような事件を起こすのか、そして主人公である鵜飼探偵はどのように事件に絡みどのように解決するのか⁉

結末は是非「密室に向かって撃て!」を購入して確かめてください

感想

トリック重視の本格ミステリー

ミステリー小説って、大きく分けると2つの要素でできていると思っています。

1つ目は犯人は誰か?という要素

2つ目はどういうトリックを使ったのか?という要素

他にも、人間関係とか動機、伏線などの要素もありますが。

大きく分けるとこの2つが最も重要なのではないでしょうか。

今作「密室に向かって撃て!」では後者がとても重要になってきます。

というのも、読んでいてなんとなく犯人はわかりました。

おそらくミステリ好きなら誰しもが犯人が誰かはわかるのではないかと思います。

ただ、トリックがとにかく難しかった‼

「犯人は多分あの人だけど、どうやってもできないよなあ」とどう考えても犯行は不可能のように感じました。

トリックが明かされた時は衝撃すぎて思わず唸りました。

やっぱりトリックが複雑なミステリは読みごたえがあって良いですね。

貧乏探偵が大活躍

鳥賊川市シリーズの主役で探偵の鵜飼杜夫

この人物のキャラクターも鳥賊川市シリーズの魅力の1つです。

相変わらず弟子の戸村流平との掛け合いは面白かった。

東川篤哉さんのギャグセンはとても魅力的です。

主人公の鵜飼に話を戻します。

とてもマイペースでずさん、どこか抜けている感じが憎めない。そんな人物です。

探偵事務所の家賃を12ヶ月滞納しているということが主人公の性格を表しています(笑)

そんな貧乏探偵が今作では大活躍します。

1作目でも割と活躍しましたが、少し微妙だったので…

正直あまり実力はない探偵なのかなというイメージでした。

自称ではなくて本当に名探偵なんだ!と主人公を見直すことになった作品です(笑)

斬新な密室殺人

上でも言いましたが、1作目に引き続き今作も密室殺人がテーマです。

タイトルでもわかる通りですね。

密室と聞けばどのような状況を想像しますか?

おそらく鍵がかかっている部屋での殺人侵入不可の室内での殺人など部屋の中での殺人を想像すると思います。

ですが、今回は屋外で密室殺人が起こります。

密室殺人というよりは本書では衆人環境の密室という表現をしています。

実際に密室ではないけど、密室と同様の状況の犯行になっているということです。

タイトルで密室というワードがあるのに屋外で殺人が起こったとき、

タイトル詐欺か?と一瞬慌てました(笑)

ネタバレを避けるため、超ざっくりの説明ですね。。

屋外での密室殺人というのが自分にとってはとても斬新に感じました。

まとめ

今回は東川篤哉さんの「密室に向かって撃て!」について紹介しました。

所々にちりばめられたギャグ要素、そして本格的なミステリーが魅力のシリーズ。

鳥賊川市シリーズの2作目。

1作目に引き続きとても楽しませてもらいました。

とても気に入っているシリーズなので早く最新作まで追いつきたい!

ユーモア、ギャグ、伏線、ミステリ。どれも一級品です。

皆さんも是非鳥賊川市ワールドに足を運んでみてください。

東川篤哉さんの鳥賊川市シリーズの3作を読んだ感想も書いているので、良かったら読んでください!

最後まで読んでいただきありがとうございました!