【感想】「ここに死体を捨てないでください!」軽いノリで死体遺棄!?

2021年12月1日

こんにちは、つぼたっくのあおいです。

今回は東川篤哉さんの「ここに死体を捨てないでください!」を読んだ感想を紹介します。

東川篤哉さんの鳥賊川市シリーズの5作目。

前作までと同様、東川ワールド全開

ユーモア要素の中に、細かい伏線がふんだんに織り交ぜられています。

最後の方で全部の伏線が繋がった時には、なるほど〜!となりました。

今作では見知らぬ男女が死体遺棄をするのですが、2人ともキャラがぶっ飛んでいます。

憎めないキャラをしているので、今までの作品で出てきた中で一番好きな登場人物になりました笑

ちなみに、、

※死体遺棄は犯罪です!!!

それでは、ネタバレなしで本の感想を紹介していきます!

書籍概要

題名:ここに死体を捨てないでください!

著者:東川篤哉

初版発行日:2012年9月

出版社:光文社

あらすじ紹介

まず簡単にあらすじを紹介します。

起承転結でいうところのをざっくりと説明します!

不審者をナイフで撃退

大学生の有坂春佳の家に不審者が侵入してくるところから物語が始まります。

不審者は部屋に侵入してきて、有坂春佳にめがけて突進してきます。

サスペンスドラマで犯人が家に忍び込み殺人を犯すシーンのような感じですね。

ですが、死んだのは不審者の方。

有坂春佳はとっさにナイフを持ち、逆に相手を刺してしまいました。

殺人を犯した妹が東北に⁉

場面は姉の会社へと移り、姉の有坂香織の元に一件の電話が。

先ほど殺人を犯してしまった妹の春佳からです。

ことの顛末を聞いた姉の香織は場所を尋ねます。

すると妹から帰ってきた答えに驚愕

「仙台駅」

パニックになって気が付いたら東北新幹線の中だったとのこと。

これたぶん考えられる中で一番最悪の選択でしょ笑

姉は衝撃を受けながらも、とりあえず自分が何とかするから仙台で待機するように指示をします。

この選択もなかなか悪手ですよね。ハンター協会の会長に「こりゃ悪手じゃて」とぼやかれますね。

見知らぬ男と死体遺棄

姉の香織はとりあえず、死体を確かめるために妹のアパートに向かいます。

そして、死体を目の当たりにした香織は、死体を隠すことを決意します。

色々あった後、

アパートにたまたま駐車していた廃品回収車の運転手の鉄男と一緒に死体をコントラバスケースに詰めます。

その日初対面の男女二人で死体遺棄をするって両方ともなかなかぶっ飛んでいます。

すぐに警察に通報しておけば、そこまで罪も大きくならないだろうに…

どんどん良くない選択をしていっちゃうんですよね。

まあ分からなくもないですが。

そして、車に乗り死体を山に捨てに行きます。

主人公の鵜飼探偵一同や毎度おなじみ砂川警部がどのように事件に関わっていくのか。

この後更にどんな事件が発生するのかは本を本でのお楽しみです!

「ここに死体を捨てないでください!」の特徴

ユーモアミステリ

この本に限らず、東川篤哉さんの鳥賊川市シリーズは基本的にユーモア要素が多めです。

ギャグシーンにミステリの重要な伏線が隠れているのも特徴の一つです。

全体的にポップな感じで物語が進むので、重苦しい感じのミステリが好きな人は苦手かもです。

キャラの癖が強い

今作はキャラの癖が特に強いと感じました。

あらすじでも紹介しましたが、色々とぶっ飛んでいるのでツッコミどころ満載でした(笑)

キャラ物の小説が好きな人には特にオススメです。

サクサク進む

長編推理小説とは思えないくらい、あっという間に感じました。

ポップさも相まって、サクサク読むことができるので小説をあまり読まない人はとっつきやすい本です。

位置関係が難しい

今回は山奥のペンションが舞台です。

そのため山の中を色々と移動するのですが、地理が苦手な自分は頭が混乱しました。

小説で位置関係や地図を考えながら読むのって難しいよね。

感想

死体遺棄のノリが軽すぎる

とにかく 有坂香織 のキャラがツボでした。

楽観的というか、破天荒というか、気分屋というか。とにかく無茶苦茶です。

後先考えずに行動する結果、どんどん最悪の事態へと進んでいくんですね。

まさに破滅型。ギャンブルなんかにハマったら人生終わりですね(笑)

でも、皆さんもこんな経験はあると思います。

仕事でミスをしたことに気付くのですが、そんなに大きくないし言わなかったらばれないことに気付く。
報告して怒られるのも嫌だし、とりあえず放っておこうと、報告の機会を失う。
その後そのミスが割とヤバいことに気付くが今更打ち明けられない。
あとはそれが自分のせいにならないようにただただ祈る。
数日間は生きた心地がせずとにかく苦しい。

自分も会社でこの経験はしました…(まだ2年目ですが)

自分の経験も相まって、どんどん最悪な方向に進んでいく有坂香織に感情移入していたのかも(笑)

結局、一番最初のミスに気付いた時に上司に報告することが最善の行動なんですよね。

ミスしたらすぐ報告、犯罪を犯したらすぐ通報。良い教訓になりました。

最後の展開が爽快

最後の方の展開はとにかく爽快でした。

今までの謎が一気に解け、一気に事件解決まで進んでいきます。

逆の中に隠されていた伏線も華麗に回収。推理パートも圧巻でした。

様々な事象がどう繋がっていくんだ?

と序盤の方は疑問でいっぱいでしたが、読み終わると超スッキリです。

物語の大詰めでもギャグシーンが多く、後味が悪くならないのは良いですよね。

終わり方がスッキリで読後感がすがすがしいのも、東川篤哉さんの良いことろだと思っています。

大掛かりなトリック

ネタバレになりそうなので、あまり詳しくは言いませんが、、、

今回は鳥賊川市シリーズの中でも特にトリックが面白いと感じました。

大がかりなトリックで、予想の遥か彼方を超えられました。

鳥賊川市シリーズの中では珍しく、作中に人間関係のドロドロも少し描かれていました。

動機もはっきりとしていて、ミステリー要素も少し強めだったと感じました。

そのミステリー要素はキャラの癖とユーモアで相殺されていますが(笑)

是非トリックを予想しながら読んでみてください!

まとめ

今回は東川篤哉さんの「ここに死体を捨てないでください!」 を紹介しました。

所々にちりばめられたギャグ要素、そして本格的なミステリーが魅力のシリーズ。

鳥賊川市シリーズの5作目。

死体遺棄がテーマの作品ですが、重苦しい雰囲気はなく、ポップなストーリーです。

各所ちりばめられた伏線や大がかりなトリックに驚愕されること間違いなしです。

キャラクターも全員魅力的なので、推しキャラを決めて応援するのもありかも。

ちなみに自分は、朱美さん推しです(笑)

興味がある人は是非読んでみてください!

東川篤哉さんの鳥賊川市シリーズの6作目を読んだ感想も書いているので、良かったら読んでください!

最後まで読んでいただきありがとうございました!!