【感想】米澤穂信「氷菓」|学園×ミステリー小説

2021年7月19日

こんにちは。つぼたっくのあおいです。

今回は米澤穂信さんの小説「氷菓」を読んだ感想について紹介したいと思います。

読むきっかけは、つぼみからの紹介です。

「小説にハマったんなら是非読んで欲しい!」

と懇願されたのでせっかくなので読んでみることにしました。

小説は興味ない、と常に断って来ましたが遂に読むことを決意しました。

内容は学園物ミステリー(そんなジャンルがあるかは知らないが)です。

高校生の奉太郎(ほうたろう)とその友達が日常の謎を解いていくストーリー。

「内側からカギをかけていないのに、何で教室のカギがしまっているのか?」

「文集の場所を教えてくれない先輩は何を隠しているのか?」

など平和な謎を解いていきます。

そして主人公の奉太郎が所属する部活 古典部の謎について解き明かしていきます。

殺人事件が起こることもなく、和やかな雰囲気で物語が進行していきます。

そして古典部の謎はなかなか深イイ話でした。

計200ページと小説としては少ないページなので、あっという間に読み終わりました。

長い小説を読むのが苦手な人や小説をあまり読んだことがない人に特にオススメです。

書籍紹介

基本情報

題名:氷菓

著者:米澤穂信

初版発行日:2001年11月

出版社:角川文庫

値段:457円+税(文庫)

概要

「氷菓」は米澤穂信の推理小説で、「古典部シリーズ」の1作目かつ作者のデビュー作でもあります。

架空の高校である神山高校の古典部を舞台に、高校生の青春やミステリーが描かれています。

シリーズ物の1作目ですので、米澤穂信さんの作品に興味がある方は是非読んでほしい1冊です。

あらすじ

「省エネ」がモットーの主人公折木奉太郎が神山高校の古典部に入部するところから物語は始まります。

古典部のメンバーは、神山の名家「千反田家」の長女千反田(ちたんだ)える、奉太郎の幼馴染福部里志(ふくべさとし)井原摩耶花(いばらまやか)の4人。

この4人が古典部にまつわる謎を解いていくストーリーになっています。

感想

主人公の性格が独特

上でも書きましたが、主人公の奉太郎は「省エネ」がモットーです。

自分から何かをしようとすることは基本的になく、自分の高校生活を灰色の高校生活と紹介しています。

無駄なことはしたくない性格から、効率厨のような感じかな?と思いましたが、どうやらそこまできっちりしていない模様。

高校男子なら誰しもが通る厨二病みたいな感じでしょうか。

掴みどころがないのらりくらりとした主人公だなあと思いました。

同じクラスにいても友達になろうとは思わないタイプです笑

この主人公の考え方や発言が自分にとって結構ツボでした。

他の部員との会話や、頭の中で考えていることが面白いです。

「やらなくてもいいことなら、やらない。やらなければいけないことは手短に、だ」

「俺はそう言おうと思ったが、言ってどうなるものでもなし、と肩をすくめるだけ」

など省エネ発言が多いです。

やらなくてもいいことなら、やらない。やらなければいけないことは手短に この言葉を座右の銘にしたいところです笑

少年漫画の主人公とは真逆の性格なのですが、とても魅力的なキャラクターです。

小さいミステリーと大きいミステリー

物語の序盤で日常の些細な謎(小さいミステリー)を数回解きます。

そして中盤からは古典部の謎(大きいミステリー)を解明していきます。

中盤からの大きいミステリーは読み応えがあり深い内容です。

ですが自分はその前の小さいミステリーの方が好きでした。平和な感じが良かったです!

「内側からカギをかけていないのに、何で教室のカギがしまっているのか?」

「文集の場所を教えてくれない先輩は何を隠しているのか?」

のような些細な謎です。

奉太郎はこれらの謎を少ないヒントから推測して答えを導き出していきます。

どこぞの漫画の身体は子供で頭脳は大人の名探偵並みの推理力なのでは?と思わされるほどです。

短編小説のように短い謎が次々と解かれるので、とても読みやすくどんどん作品に引き込まれていきました

そこまで難しい謎ではないので、奉太郎達が推理している途中で謎を解くことができる読者も多いのではないかと思います。

推理しながら読んでみても楽しいのではないでしょうか。

ちなみに私は奉太郎が解き明かすまで全部分からなかったです笑

高校生活の青春×ミステリー

この本は高校学園モノの青春ストーリーでもあります。

主人公の心情の変化、千反田に対する思い、文化祭のための準備、友情、努力、勝利など高校生ならではの青春がたくさん描かれています。

文化系の部活に入って、男女で仲良く活動する。

誰しも1度は憧れる高校生活なのではないでしょうか。

私も高校までは野球一筋でずっと野球部に所属しており、文化部のまったりした雰囲気に憧れていたのを思いだします。

(大学では文化部に入ったのですが、とっても楽しかったです。)

古典部の4人が今後どのような関係性になっていくのか、次の作品を読むのが楽しみになりました。

ただ、本格的なミステリー小説や人間関係のドロドロが描かれたような作品が好きな人にとっては物足りなく感じてしまうかなとも思います。

複雑なミステリーやおどろおどろしい雰囲気の本が苦手な人。

また、青春ものが好きでミステリーにもちょっと興味がある人などは是非読んでみて欲しいです!!

まとめ

今回は「氷菓」について紹介しました。

高校生活の中の些細な謎を解き明かしていく青春ミステリーで、少し甘酸っぱい気持ちになりながら読むことができました。

シリーズの1作目でなので他の作品も是非読んでみたいと思いました。

この記事を見て少しでも興味を持っていただけたのなら是非読んでみてください!

最後まで読んでいただきありがとうございました。