【感想】「完全犯罪に猫は何匹必要か?」猫好き必見のミステリー

2021年10月18日

こんにちは。つぼたっくのあおいです。

今回は東川篤哉さんの「完全犯罪に猫は何匹必要か?」について紹介します。

東川篤哉さんの人気シリーズ鳥賊川市シリーズの3作目。

約450ページと1、2作目と比べて結構ボリュームがありました。

刑事たちが事件を追う中、主人公の探偵たちは猫探しをするという不思議な展開。

相変わらずユーモア要素は満載でした。

もちろん、ミステリーも超本格です。

トリックが複雑で、ユーモア要素とのギャップにびっくり。

猫がたくさん出てくるほのぼの系かと思いきや、しっかりしたミステリー。

良い意味で裏切られました。

※猫が死んだり、犯罪の道具として使われたりなど、動物愛護団体が怒りそうな描写はないのでご安心を

鳥賊川市シリーズの3作目ですが、前作を読んでなくても楽しめます。

まあせっかくなので、1作目から読んで欲しいという気持ちはありますね。

自分は4作目→1作目→2作目→3作目の順で読んだのですが(笑)

ちなみに、この記事でもネタバレなしです!

書籍紹介

題名:完全犯罪に猫は何匹必要か?

著者:東川篤哉

初版発行日:2008年2月

出版社:光文社

起承転結のをざっくり紹介

ネタバレは無しと言っても、自分の感想だけ紹介しても良く分からないと思うので、

超ざっくりとあらすじを紹介します。

起承転結でいうところの起の部分ですね。

タイトルだけでも興味を惹かれる小説なので、冒頭部分を聞くと更に興味を惹かれること間違いなしです。

プロローグで10年前の事件

本作のプロローグでは10年前の事件について描かれています。

まあ10年前の未解決事件を紹介しておいて、それが今作の事件と関連してくる。

みたいなのはミステリーでは良くありますよね。

本作も、そのパターンです。

10年前に事件を解決できなかった刑事が、その事件と関連する事件(本作での事件)を解決するみたいな感じですね。

探偵たちが三毛猫探し

主人公で私立探偵の鵜飼杜夫。その弟子の戸村流平、探偵事務所オーナーの二宮朱美

本作の最初では、主人公の探偵達が三毛猫探しをするところから始まります。

回転寿司チェーン「招き猫」の社長豪徳寺豊蔵が探偵たちに三毛猫探し探しを依頼したためです。

豪徳寺豊蔵は経営する回転寿司店や家の門に巨大な招き猫を設置するほどの猫好きです。

そのため、可愛がっている飼い猫の「ミケ子」探しの報酬として120万円を約束します。

飼い猫探しに120万円ってどんだけ猫を愛しているんだよと(笑)

まあそんな流れで、主人公の探偵たちは三毛猫探しに奮闘。

このほのぼのとした猫探しが、今回の事件と深く関わっていきます。

最初から最後まで猫だらけのストーリー。事件の鍵を握るのも猫⁉

感想

猫にほのぼのと思いきや…

ここまででも十分伝わっていると思いますが、とにかく猫や招き猫が登場します。

文字だけも猫の可愛さが伝わってきてほのぼのです。

餌を求めて近づいて来たり、猫じゃらしで遊んだり…

猫ちゃん超かわいい。

猫好きにはたまらない小説です。

しかし、これは単なる猫ちゃん可愛いの小説ではありません。

猫でほのぼの~だけで終わるわけにはいきませんよね。

ミステリー小説なのでもちろん殺人事件は発生します。

ただここでも猫要素、殺人現場に巨大な招き猫が出現します。

殺人現場までにも猫が出現するのです…

殺人現場に巨大な招き猫だけ聞くと、何がなにやらだと思いますよね。

これがこの事件の重要な要素なので気になる方は是非読んでみて欲しいです!

刑事と探偵のすれ違いが絶妙

「完全犯罪に猫は何匹必要か?」では刑事が殺人事件の調査を行います。

その間、主人公の探偵たちは猫探しに奮闘するというような珍しい展開です。

もちろん、殺人事件とも関わっていくのですが。

なにしろ、120万円が掛かっているので探偵と言えども殺人事件よりもこっちを優先させますよね…

そのため、刑事目線と探偵目線の2視点で物語が進行していきます。

その中で、絶妙に関わり合い、そして絶妙に邪魔をし合います。

まあ、刑事と探偵の中があまり良くないのはミステリーの性ですね。

そんなこんなで物語の随所で絶妙なすれ違いが生じます。

アンジャッシュのコントのような絶妙なすれ違いです。

すれ違いが起こりながらも、事件が解決に向かっていくように物語が進んでいくのは爽快でした。

コントのようなすれ違いが起こりつつも、物語がサクサク進むのは本作の長所の1つですね。

ミステリー要素以外でも魅せてくれる東川篤哉さんの腕がすごいです。

長編だけど最後まで飽きない

長編小説って手に取るまでのハードルが高くないですか?

自分も昔は分厚い本に小さい文字がびっしり書いてあるのを見ると気が遠くなっていました。

最近は小説に慣れてきてはいるものの、やはり分厚い本に苦手意識はあります。

そんな方には是非東川篤哉さんの小説をお勧めしたいです。

各所にユーモアがちりばめられていて、全く飽きずに読むことができました。

キャラクターの掛け合いが特に面白く、漫才の掛け合いのようにボケとツッコミが秀逸です。

会話(文字)だけでここまで面白くできるのかと圧倒されました。

ワードセンス語彙力が半端ないです。

最初から最後までポップな感じで物語が進むので、サクサク読めるんですよね。

そして、ミステリーも超本格的です。

ミステリーとユーモアが絶妙に絡み合っているのが、東川篤哉さんの最大の長所だと思っています。

長編小説にチャレンジしたいけど、なかなか手が出せない方は是非鳥賊川市シリーズを読んでみて欲しいです

まとめ

今回は東川篤哉さんの「完全犯罪に猫は何匹必要か?」について紹介しました。

所々にちりばめられたギャグ要素、そして本格的なミステリーが魅力のシリーズ。

鳥賊川市シリーズの3作目。

自分は完全に鳥賊川市シリーズのファンになりました。

本作は猫、招き猫がたくさん登場する作品です。

ミステリー好きの方はもちろん、猫好きの方も楽しめる作品だと思います。

この本を読むと猫や招き猫に少しだけ詳しくなり、学校や会社の雑談で使える知識が増えるかもです!

猫とミステリーとユーモアが溢れる東川篤哉ワールドに是非足を運んでください!

東川篤哉さんの鳥賊川市シリーズの4作目を読んだ感想も書いているので、良かったら読んでください!

最後まで読んでいただきありがとうございました!!